人生の楽園①ロケハン

先日、テレビ朝日「人生の楽園」という番組に出演させていただきました。
ご登場いただいた三輪先生、足立様ご家族、南極観測隊の皆さま(吉川さん、山口さん、豊福さん、佐藤さん)、ご近所の松木信義さん、リンゴ農家の樋口さん、ご協力誠にありがとうございました。
※こちらもご覧ください⇒三輪先生がやって来た!
            今度は大人数で!!
            南極会!!
またテレビ朝日映像の撮影スタッフの皆さん、ありがとうございました。
そして今回の撮影のためにご尽力いただいた信濃町の関係機関の皆様、ありがとうございました。
おかげさまで放送終了後から電話がひっきりなしに鳴っててんてこ舞いです。ありがたいことです。
 
何故今回「人生の楽園」に出ることになったのかお話ししたいと思います。
もともと「ふふはり亭」は、前オーナーの南さんが30年間ペンションとして営業しその後10年間自宅として住まわれていた築40年の建物です。それを私たち夫婦が一昨年購入しました。
南さんは黒姫でペンションを営まれる前に、毎日新聞の写真記者をされていました。その繋がりで昨年6月に信濃毎日新聞の上野記者から「ふふはり亭」を取材して頂けました。ちなみに毎日新聞と信濃毎日新聞は完全な別会社で何の関係もないそうですが(笑)。
※その経緯はこちらを参照ください⇒新聞で紹介されました
その信濃毎日新聞の記事を「テレビ朝日映像」という制作会社のリサーチ担当の方が見つけて下さり、昨年の8月くらいに電話を頂きました。テレビ番組ってそうやって地方紙新聞までもチェックしてネタ集めされてるんですね。
つまり前オーナーの南さん、信濃毎日新聞の上野さんとの繋がりが「人生の楽園」につながったわけです。南さん、上野さん、心よりお礼申し上げます。

信濃毎日新聞の記事
 
最初は半信半疑でしたよ。「テレビに出て頂けませんか」と電話でいきなり言われたら「うわ怪しい!」と思うじゃないですか。ただ私は元々「来るものは拒まず、去る者は追わず」をモットーとしていますし、「逃げない」「困難は受けて立つ!来るなら来い!!」というのを心がけて今まで生きてきました(といっても負けることが多かったですが…)。困難に立ち向かうことで成長してきたという自負があります。だから事情を聞いて二つ返事で「あっいいですよ~」となったわけです。あまり「これでお客様が増える」とかいうふうには考えませんでしたね。
リサーチ担当のNさん。新聞記事やホームページをいろいろ見ていただいて、いろいろな質問をしていただき、私たちに本当に興味を持ってくれているなぁというのが伝わってきて、だんだん私も信頼を寄せていくようになりました。
そしていろいろ打合せを重ね、冬に撮影しましょうという事になりました。最初は1月にという事だったのですが、今年はとにかく雪が無くてキャンセルされるお客様も多く年末年始以外はお客様が入ってませんでした。「お客様のいるときに撮影したい、しかもできれば小さいお子さんのいるご家族を撮りたい」とのことでした。そこへたまたま昨年11月にご夫婦で泊まられた足立様がお孫さんたちに雪遊びをさせたいとご家族でやって来てくださることになったのです。撮影が入ることも了承していただけたため、2月に撮影決行という事になりました。
※11月にお越しいただいた足立様ご夫妻⇒またまた自然學校時代の懐かしいお客様が!
 
1月下旬、実際の撮影の前にディレクターのKさんがお一人でやって来られました。ロケハンです。私はKさんと2人で撮影予定の場所をいろいろ見て回りました。Kさんは現地を見て頭の中でどんな映像を撮ろうか構想を練られていました。
足立さんご家族を案内する予定のスノーシュー&ソリコースの下見も2人でスノーシュー履いて見に行きました。
あと50cm積もれば草は隠れるはず!と期待
 
タングラムスキーサーカス黒姫高原スノーパークのリフトで登れるてっぺんも行きました。番組の冒頭に使う信濃町全体を俯瞰で見下ろす映像に適した場所を探すためです。Kさんも私も長靴です。だから下りもリフトで下ってきました。下りのリフトって結構怖いんですよ。
両スキー場とも支配人の方が付いて案内していただけました。最初に伺ったタングラムスキーサーカスの最上部付近にある展望ラウンジ「野尻湖テラス」はもともとスキーやボードをしない一般の方が対象のフード付きリフト「野尻湖テラス観光リフト」での往復なので問題はなかったのですが、通常のスキーリフトは「下り」には乗ってはいけないことになっているのだそうです。
というのはリフトは一般の鉄道と同じように国土交通省の規定に則って運用される「索道」で、国土交通省に届け出た運用方法以外の方法で運用してはいけないことになっていて、簡単に下りに乗りたいと言われても乗せられないのだそうです。よくいろいろなスキー場でパトロールのスタッフの方が下りリフトに乗っているのを見かけることがありますが、スタッフ等の場合は最初から届け出ているので下りに乗れるのだそうです。しかし例えばお客様で上まで上がってみたけど足がすくんで「やっぱり滑らずにリフトで下りたい」という方がたまにおられるらしいのですが、そのような場合は乗せるわけにはいかずスノーモービルで迎えに行って降ろすことになるのだそうです。
今回は両スキー場とも運行責任者である支配人の方が一緒についてくれることで下りリフトに乗れました。ありがとうございました。

野尻湖テラスからの眺め
黒姫高原スノーパーク第1クワットリフト最上部からの眺め
タングラムスキーサーカス
黒姫高原スノーパーク

 
Kさんは20年くらい前の大学時代に黒姫高原スノーパークでスノーボードのインストラクターをされていたことがあるそうです。それで信濃町をよく知っているという理由で今回抜擢されたとか。「人生の楽園」は毎週放送されるので、全部で6チームの撮影班が違う現場でほぼ同時進行で動くのだそうです。チームメンバーは毎回同じメンツではなく、その時その時で入れ替わるのだそうです。「人生の楽園」は人の心の領域にまで踏み込む高度な内容なので担当出来るディレクターさんも限られていてその中でもKさんは一番若手なのだそうです。

松木信義さん宅の地下の畑で育つネギや白菜
 
Kさんが来てる時にたまたま私たちが秋に収穫をお手伝いさせていただいたリンゴ農家の樋口さんがふふはり亭を訪ねて来てくれました。樋口さんがふふはり亭に来られたのは初めてです。なんという引き合わせでしょうか。早速、Kさんによるインタビューが。樋口さんは日ごろから冗談好きな方で話が面白いので、Kさんも樋口さんのことを気に入ってしまいぜひ撮影本番で登場してほしいという事になりました。
偶然樋口さんご夫妻が訪ねて来て取材が始まりました
 
またKさんは私や私の奥さんにいろいろと質問してこられました。私の生い立ち、いままでの学校や仕事のこと。いろいろ聞かれました。こんなに詳しく私の心の奥底まで知ろうとした方は今までいなかったかもしれません。Kさんから「土屋さんは感性を大事にして生きてきた人なんですね」と言われて「ハッ」としましたよ。私は今まで自分が論理的に生きてると思っていたのですが、確かに「うわぁ」という一瞬の感動を得るためにすべてを犠牲にして生きてきたという事に今更ながら気づかされました。苦労して山に登るのも、困難に立ち向かって南極に行ったのも、雪深く生活するのさえ大変な今のペンション業も、頂上からの絶景、今まで見たこともない南極の雄大な景色、木から雪が舞い落ちてキラキラと輝く様、その一瞬の「うわぁ凄い~」とか「うわぁ綺麗~」という感動がそれまでのすべての苦労を吹き飛ばしてくれるからなんですよね。その「うわぁっ」感覚こそが私の一番大事にしたいものなんだという事に今回気づかされたんです。そしてその感動を人に伝えたいからこそペンションをやり、ガイドをやってるんですよね。
ディレクターのKさん、私より若いのに「ただ物ではない!」「出来る人だ!」と確信しましたよ。このような方がいる限り日本のテレビはまだまだ捨てたものではないなと思いました。
テレビ放映でお客様が増えても増えなくても(もちろんテレビを見て来ていただけるお客様には心を込めておもてなしをさせていただきます)、私にとってはKさんと出会えてKさんが私の本当にやりたいことを引き出してくれたことが今回の何よりの収穫だと思っています。
料理についていろいろ質問するKさん
 
そしてKさんから覚悟するように言われました。「人生の楽園」は20年続いている今年1,000回を迎える視聴率13%という高視聴率長寿番組だそうです。視聴率1%あたり100万人が見る計算だそうで、13%という事は1,300万人が見ることになります。以前いつもは誰も来ないような福島の片田舎が取材され放送された途端、道が大渋滞になって警察が出動したほどだったそうです。例えば、1,300万人のうちたった0.1%の人が「行ってみよう」と思ってくれただけで13,000人ものお客様が押し寄せて来ることになります。普通に考えたら、そんなに来られたらこちらは夫婦2人だけでやってるペンションですからもうお手上げですよね。
まあ「困難には逃げずに立ち向かう」ことを是として生きてきた私ですから「どんと来い!」「なるようになる」「楽しめばいい」と楽観するのでした。
 
—つづく—

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